第12回 食事を見直して痩せる

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

妊娠中の爆食
 
そもそも産後すぐに乳腺炎になってしまったのは、妊娠中の爆食が原因だったのでは、と、母乳ケアをしてくださった助産師さんからのご指摘がありました。
私の食習慣において、妊娠前からほぼお米を食べていませんでした。パンか、パスタか、焼きそばなどの麺類が多く、オリーブオイルをたっぷり使い、カリっとした揚げ物も、チーズも、甘い物も大好きでした。食べる量も普通の女性の倍量以上で早食いでしたし、夏の出産だったので、氷を入れた冷たい飲み物しか飲んでいませんでした。
 
乳腺炎後の食事
 
乳腺炎になって、助産師さんに以下のように食事を改善するように伝えられました。
・まずはすべての食べものを良く噛むように。唾液から消化酵素が出て、赤ちゃんにとっても良い母乳になる。
・乳製品、砂糖、植物性の油は加熱すると酸化しやすく乳腺を詰まらせるので、やめるように。
・飲み物は常温か、温かいものを飲んで、母乳も体も冷やさないこと。
・利尿作用のあるカフェインの入っていない水分をこまめに、1日2L飲むように。
・和食にすること。特に根菜類は体を温めるので、多めに摂取すること。
 
体重が減る
 
洋食中心だった食習慣が、和食に変わっただけでもみるみると体重が減ってきました。暑い時期に常温や温かい飲み物を飲む習慣がなく、慣れるのにしばらくかかりました。飲むように食べていたフワフワのパンをやめたことで、砂糖をとらずにすむようになり、お米をよく噛むことで、お米の美味しさを知りました。
食事と飲み物を変えたことで、体重は1か月で3キロ減りました。
 
甘いものを断つ
 
1か月経って一番大変になってきたのは、砂糖断ちでした。パンを止めたことで甘い物がなくなり、お菓子やデザートを買うことを止めました。これは相当つらく、アルコール依存症の人がお酒を探すように、「どこかに甘いものはないか」と彷徨う「甘い物依存症」だったのだと自覚しました。そこで目をつけたのは「干し芋」でした。これは砂糖ではない、けれど、干し芋の中でも甘いものとそれほど甘くないものがあります。甘い干し芋は、砂糖並みに糖度が高いものもあります。この甘さは止まらなくなり、依存症を引き起こすことを実感しました。そのため、あえて甘くなく、固いものを選んで、よく噛むようにしました。
 
よく噛むことができる食べ物で口さみしさをなくす
 
次に、よく噛むことができるものを探しました。するめや玄米のおにぎり、スティック野菜などをキッチンに置いて、おなかが空いたら家事や授乳をしながら、ひたすら噛んで口さみしさを失くしていくようにしました。
気が付いたら3か月後には8キロ痩せていました。乳腺炎になった痛みと恐怖のトラウマのおかげで、もう二度となりたくないという思いで始めた食事療法でしたが、妊娠前よりすっきりして軽くなったことは思わぬ副産物でした。
 
花粉症が治る
 
花粉症とアレルギー性鼻炎のため、何十年も抗アレルギー剤を飲んできましたが、妊娠中は胎児への影響を考えて飲まなかったので、仕事中も鼻水が垂れて辛かったです。そして産後も母乳への影響を考えて、飲むのをやめていました。が、なぜか辛くない。あれ?体質が変わったのかな、と思っていました。
後々知ったことでしたが、パンや麺類を止めたことで、小麦グルテンによる腸への影響がなくなり、アレルギーを引き起こさなくなっていたのでした。そもそも日本人は小麦グルテン不耐症、乳糖不耐症の人が7~8割いると言われているため、食べ物のアレルギーがなくても、花粉症などのアレルギーを引き起こすということを知りました。
つまり、乳腺炎のための食事療法で乳製品や小麦、植物性の油、砂糖をとらなかったことで、腸内環境が改善し、花粉症も治ったのでした。
ところが、卒乳後、やっと食べられると解放されたかのようにパンや麺類を食べるようになったとたん、花粉症を再発しました。しかし、小麦を止めたら数十年来の花粉症も治るということを実感したのでした。
 
まとめ 健康な食習慣になった結果、痩せる
 
乳腺炎の恐怖から免れるために始めた食事療法でしたが、結果的に無理なく運動もせずに痩せられました。

1) 良く噛む(ひとくち30回以上)。噛むことで唾液が出るものを選んで食べる。
2) 常温か温かい飲み物をこまめに、カフェインの入っているものはカウントしないで、1日2L飲む。食事中に水分をとると消化酵素が薄まるので、食前か、食後1時間以上経ってから飲む。
3) 小麦・乳製品・植物性油・砂糖を控える(減らすときは大変だけれど、減らすより断つことで依存症から抜け出せるので、結果的には心身共に楽になる)
4) 植物性の油や砂糖で減ったカロリーを白米や玄米、肉魚卵豆類などのタンパク質を多めに食べて補う。

特に3)の小麦・乳製品・植物性油・砂糖は4毒と言われるほど、依存性が高いので、アルコールやタバコを止めるより大変と言われています。「食べるものがなくなる~」という声もよく聞きますが、「本来の日本人の体(腸)にとって毒じゃないものを食べよう」という視点で探せば、和食の世界が広がります。

産後のトラブルを通して、健康になるための転換期となり、私にとっては「災い転じて福となす」でした。子どもにとっても、健康的な食事にしていくことで、体つくりと食育ができると思います。

まずは痩せる目的でもいいので、食生活を見直してみませんか?

第11回 股関節痛の悪化で産後が大変になる

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

生涯のテーマとなった股関節痛

 
私の股関節痛の原因は、先天性の「臼蓋形成不全」という障害からくるものでした。本来、骨盤の中で股関節が抜けないように骨でカバーされている部分が、生まれつき欠けていて、股関節が脱臼しやすい形になっています。赤ちゃんの健診のときに股関節が開きにくいことで発見されることもありますが、あまりはっきり見られない場合は、レントゲンを撮って初めて発見されることがあります。
私の場合も30歳頃に、訪問看護で重い人を持ち上げたあとに左股関節が痛くなり、整形外科を受診したところ、念のために撮ったレントゲンで発見されました。
これまでの頭痛や腰痛は、この股関節の歪みが原因で、背骨や顎が歪んで様々な不調を起こしていたことがわかり、腑に落ちた瞬間でした。
股関節が脱臼しないよう自分の骨を切って足す「骨切り術」という手術を勧められましたが、いろいろと調べる中で、手術をしても痛みはなくならないことも多いことを知りました。
それからは重い物を持つときは、左股関節に重心をかけないように気を付けつつ、股関節が外れないように筋肉でカバーする筋トレを毎日続け、休みの日には整体を受け、教えてもらうことになりました。

 

切迫早産で筋力が落ちて悪化する

 
ところが、訪問看護の仕事はとても忙しく、妊娠中でも重い人を抱えることが多々ありました。切迫早産になってもお腹が張っても休めない状況が続いて、とうとう動けないほどお腹が痛くなりました。産休に入ったとたん、寝たきりになり、その2週間後に早産となりました。
お腹の皮とおっぱいだけがで~んと出ているにもかかわらず、手足はやせ細って妊娠前よりも体重が減っていたので、筋肉が落ちるスピードの速さに驚きました。
抱っこをしていても腰がグラグラして、腰も左股関節も痛くなり、腕の力もないので、あっという間に腱鞘炎になりました。睡眠不足が続いて産後うつのような状態になり、軽い体操でさえやれないほど、自分を立て直す気力もなくなっていました。育児を楽しむ余裕もなく、「子どもさえ何とか生きていてくれたらいい」という気持ちで授乳を仕事のようにしていたと思います。

 

股関節痛の悪化

 
半年ほど経ってから、グラグラしていた腰も固まってきて、靴下を履くのも大変なくらい体中がカチコチになって、股関節の痛みが一段とひどくなりました。杖とマジックハンドを購入し、近隣の接骨院や鍼灸院に通いましたが、なかなか良くなりませんでした。
「これはまずい、もう限界だ」と自分の体の悲鳴が聞こえるようになって、ようやく、「我が家からは遠くて行くのはたいへんだけれど、整体の師匠のところに行こう」という気持ちになりました。治療してもらってからは腱鞘炎も股関節痛も良くなりました。それに伴って塞ぎこんでいた気持ちも溶けたように軽くなり、しだいに育児が楽しめるようになりました。
まずは体から整えなくては、心も整えようがなかったのかもしれません。体が整ってきたら心を整えようという気持ちになれて、ようやく体と心が整ってきた感じがします。自分ではどうにもならないときは、まずは誰かに体を整えてもらう、というのは重要だと実感しました。

 

再び股関節痛の悪化

 
産後8か月で保育園の4月入園に合わせて仕事復帰し、少しずつ体を慣らしていきましたが、重労働は避けられませんでした。股関節が痛くなっては整体の師匠のところに駆け込むというのを繰り返していました。
仕事と育児の両立でいっぱいで、自分のケアを怠り、整体の師匠に頼るクセもついてしまっていました。産後うつを脱してからは、アドレナリン全開で走り回っている感じでした。
師匠からは、「こんなに頻繁に悪くなるような体の使い方を治して、悪くなってから駆け込むのではなくて、もっと自分で治せるように考えたらどうか。このままじゃあ、看護師の仕事は続けられなくなるよ」と毎回言われるようになりました。
「おっしゃる通りです」としか言えませんでした。教えていただいたセルフケアを続けようとしても、すぐに崩れてしまう自分にも自己嫌悪でした。
 あるとき、子どもの具合が悪くなって抱っこが増え、とうとうまた股関節がひどく痛み、歩けなくなるほどになりました。「子どもの具合が悪いのに、どうしよう」と焦りました。これまで習った方法を思い出しながらやってはダメ、これもダメ、と一晩中試して、明け方にようやく自分なりの方法がみつかりました。
 その後も何度か繰り返し、危機を脱してきましたが、子どもの熱がなかなか下がらず、病院の行き来と抱っこが増えて、どうやっても改善しないほど股関節の痛みがひどくなりました。
 とうとう長年勤めた管理職の仕事を辞める決意をし、パートで働きながら整体で開業をするための勉強を始めることにしました。師匠に治療してもらい、決意を伝えたところ、これからはプロとしてしっかり勉強しなさいと応援してもらえました。

また、娘が4歳の頃、頭痛を頻繁に訴えるようになり、検査をしても原因不明だったこともあり、整体で何とかしたいという思いを強くなっていました。
このことが転機になり、看護師を辞め、整体師として転職する決意もつきました。

 

産後の股関節のゆがみは女性の一生の問題を引き起こす

 
産後の自分を振り返ってみると、グラグラだった腰と股関節を産後の早い時期に整えておけば、ここまでひどくなることはなかったと後悔します。自分だけでなくもっと多くの女性の産後の体をなるべく早く整えられるようになりたいという思いが強くなりました。
また、産後の方の整体を専門にするようになってからは、実際には私のような臼蓋形成不全ではなくても、股関節がゆがんている方が多く、産後のユルユルの時期に治せばかなり良くなることもわかってきました。
そして産後の早い時期に治して仕事復帰してからも通ってくださる方は、更年期になっても、大きな不調なく働いていらっしゃいます。その方の「仕事で疲れた~」というお話をうかがいながらも、整体師になって良かったと思え、励まされています。

 

天職に転職

 
私自身の股関節の問題は整体師になっても続きましたが、そのたびにセルフケアがバージョンアップし、だんだん解決できるようになってきました。自分に困難な課題がやってきた、と思うと、様々な整体セミナーを受講し、勉強し続ける意欲がもらえます。
自分の障害を、不幸と思わず、愛でてあげようと思える、そんな体と、励ましをもらっている方々に感謝しています。

第10回 娘の頭の歪みと背骨の矯正を勉強して整体師を目指す

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

原因不明の頭痛を何とかしたい

 

娘が4歳のとき、朝から「頭が痛い」と言い、保育園を休む?と聞くと、「行きたいから行く」と言うので、心配しながら仕事に行っていました。保育園から帰ってくると、「ずっと頭が痛かった。でも楽しかった」という毎日で、心配で不安でたまらない日々が続きました。
大学病院で様々な検査をしても異常はなく、立ち上がると血圧が下がるので、「起立性調節障害」という診断名で薬をもらいました。その後も変化はなく、検査ではわからない何かがあるのではないか、他に手立てはないのか、そんな思いをずっと抱きながら仕事に行くのが辛かったのを覚えています。私に気を遣って、痛くても保育園に行きたいと言っているのではないかと思ったこともありました。

 

整体の師匠にみてもらう

 

子どもに整体はできるのか、じっとできるのかという不安がありましたが、師匠に相談して、看てもらうことになりました。
案の定、じっとしていることはできず、ほんのわずかな時間ではありましたが、背骨も頭も歪んでいるとのことで、そのせいで自律神経が乱れて頭痛が起きるのだろうということでした。歪んだ原因は、産道を通ったときの影響、あるいは赤ちゃんのときの向き癖などいろいろあるが、この年齢にしては歪み方がひどいので、生まれつきだろうとのことでした。生まれつきの場合は、治しても成長するたびに脳がもとに戻そうとして曲がっていくので、2~3か月に1度は背骨の矯正が必要になるとのことでした。
本人は、施術の後は楽になったというものの、翌日に好転反応のようなひどい頭痛が来て、その翌日からは良くなるのですが、それでも通うと言いました。親としては将来のことを考えたら諦めたくはないので、2~3か月に1度、成長が止まるまで通うと決めました。そして、ビデオを撮らせてもらい、私自身も家でできる方法を習得し、日替わりで頭や背骨、足などのケアをしていきました。師匠の施術は複雑で、感覚でしかわからないような難解な説明をされるので、私なりに理解したことを言語化すると、「違う」としか言われませんでした。そのため、なかなか原理がわからないまま、形だけをマネするという状況が続きました。

 

看護師を辞めて整体師に転職する

 

娘の頭痛症状には行きつ戻りつという状況が続きましたが、効果が出た時の娘の晴れやかな表情を見ると、私も整体師としてこのような子どもたちの役に立てたらという思いになりました。
20年続けてきた看護師を辞めるというのは重い決断ではありましたが、もっと勉強して、私自身でも娘を治していきたいという思いがありました。
休みの日だけ通っていた整体の勉強でしたが、看護師の仕事を退職して、整体の勉強をし、それから開業することにしました。

 

整体師として開業する

 

最初は看護師のパートと整体の仕事を副業として、自宅で開業しました。
産後のトラブルが多かった私は、私のような辛い思いをしてほしくないという思いで、「産後整体」という形で、産後の方を紹介してもらいました。赤ちゃんと一緒に、ときには知り合いの元保育士さんに赤ちゃんをみてもらったりして、じっくりやらせてもらいました。
小学生になった娘は、学校から帰ってきたら時々赤ちゃんの声が聞こえたり見かけたりするのを楽しみにするようになりました。

 

頭蓋骨専門の整体院に通う

 

娘の頭痛は少しずつ落ち着いてきていたのですが、中学生になると、通学でリュックが重くなったことと、勉強量が急に増え、これにスマホを見ることが重なり、首肩こりから再び頭痛がひどくなりました。気圧や睡眠不足による片頭痛も増えました。
師匠のところにはあまり行きたがらなくなってしまったこともあり、都心に買い物や見物がてら、頭蓋骨を専門にした整体院に通うことを誘ってみたら、行ってみると言いました。
ですが、さすが都心(!!)、10回で25万円でした。見させてもらうことで私の勉強にもなると思い、通い続けているうちに、娘の頭痛はかなり改善してきました。
師匠のやり方とミックスすることで、より効果が上がることがわかってきました。
娘の頭痛にはお互い悩まされましたが、試行錯誤を繰り返しながらお客様へも技を提供することにつながり、良い機会を与えてもらえて、娘にも感謝です。

 

赤ちゃんの頭の歪みはなるべく早く治した方がいい

 

赤ちゃんのときであれば、頭蓋骨はまだしっかりつながっていなくて柔らかいので、数週間で治る歪みも、成長してからだと時間もお金もかかってしまうことから、頭の歪みは早めにケアした方が良いと実感しました。

第12回 食事を見直して痩せる

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

妊娠中の爆食
 
そもそも産後すぐに乳腺炎になってしまったのは、妊娠中の爆食が原因だったのでは、と、母乳ケアをしてくださった助産師さんからのご指摘がありました。
私の食習慣において、妊娠前からほぼお米を食べていませんでした。パンか、パスタか、焼きそばなどの麺類が多く、オリーブオイルをたっぷり使い、カリっとした揚げ物も、チーズも、甘い物も大好きでした。食べる量も普通の女性の倍量以上で早食いでしたし、夏の出産だったので、氷を入れた冷たい飲み物しか飲んでいませんでした。
 
乳腺炎後の食事
 
乳腺炎になって、助産師さんに以下のように食事を改善するように伝えられました。
・まずはすべての食べものを良く噛むように。唾液から消化酵素が出て、赤ちゃんにとっても良い母乳になる。
・乳製品、砂糖、植物性の油は加熱すると酸化しやすく乳腺を詰まらせるので、やめるように。
・飲み物は常温か、温かいものを飲んで、母乳も体も冷やさないこと。
・利尿作用のあるカフェインの入っていない水分をこまめに、1日2L飲むように。
・和食にすること。特に根菜類は体を温めるので、多めに摂取すること。
 
体重が減る
 
洋食中心だった食習慣が、和食に変わっただけでもみるみると体重が減ってきました。暑い時期に常温や温かい飲み物を飲む習慣がなく、慣れるのにしばらくかかりました。飲むように食べていたフワフワのパンをやめたことで、砂糖をとらずにすむようになり、お米をよく噛むことで、お米の美味しさを知りました。
食事と飲み物を変えたことで、体重は1か月で3キロ減りました。
 
甘いものを断つ
 
1か月経って一番大変になってきたのは、砂糖断ちでした。パンを止めたことで甘い物がなくなり、お菓子やデザートを買うことを止めました。これは相当つらく、アルコール依存症の人がお酒を探すように、「どこかに甘いものはないか」と彷徨う「甘い物依存症」だったのだと自覚しました。そこで目をつけたのは「干し芋」でした。これは砂糖ではない、けれど、干し芋の中でも甘いものとそれほど甘くないものがあります。甘い干し芋は、砂糖並みに糖度が高いものもあります。この甘さは止まらなくなり、依存症を引き起こすことを実感しました。そのため、あえて甘くなく、固いものを選んで、よく噛むようにしました。
 
よく噛むことができる食べ物で口さみしさをなくす
 
次に、よく噛むことができるものを探しました。するめや玄米のおにぎり、スティック野菜などをキッチンに置いて、おなかが空いたら家事や授乳をしながら、ひたすら噛んで口さみしさを失くしていくようにしました。
気が付いたら3か月後には8キロ痩せていました。乳腺炎になった痛みと恐怖のトラウマのおかげで、もう二度となりたくないという思いで始めた食事療法でしたが、妊娠前よりすっきりして軽くなったことは思わぬ副産物でした。
 
花粉症が治る
 
花粉症とアレルギー性鼻炎のため、何十年も抗アレルギー剤を飲んできましたが、妊娠中は胎児への影響を考えて飲まなかったので、仕事中も鼻水が垂れて辛かったです。そして産後も母乳への影響を考えて、飲むのをやめていました。が、なぜか辛くない。あれ?体質が変わったのかな、と思っていました。
後々知ったことでしたが、パンや麺類を止めたことで、小麦グルテンによる腸への影響がなくなり、アレルギーを引き起こさなくなっていたのでした。そもそも日本人は小麦グルテン不耐症、乳糖不耐症の人が7~8割いると言われているため、食べ物のアレルギーがなくても、花粉症などのアレルギーを引き起こすということを知りました。
つまり、乳腺炎のための食事療法で乳製品や小麦、植物性の油、砂糖をとらなかったことで、腸内環境が改善し、花粉症も治ったのでした。
ところが、卒乳後、やっと食べられると解放されたかのようにパンや麺類を食べるようになったとたん、花粉症を再発しました。しかし、小麦を止めたら数十年来の花粉症も治るということを実感したのでした。
 
まとめ 健康な食習慣になった結果、痩せる
 
乳腺炎の恐怖から免れるために始めた食事療法でしたが、結果的に無理なく運動もせずに痩せられました。

1) 良く噛む(ひとくち30回以上)。噛むことで唾液が出るものを選んで食べる。
2) 常温か温かい飲み物をこまめに、カフェインの入っているものはカウントしないで、1日2L飲む。食事中に水分をとると消化酵素が薄まるので、食前か、食後1時間以上経ってから飲む。
3) 小麦・乳製品・植物性油・砂糖を控える(減らすときは大変だけれど、減らすより断つことで依存症から抜け出せるので、結果的には心身共に楽になる)
4) 植物性の油や砂糖で減ったカロリーを白米や玄米、肉魚卵豆類などのタンパク質を多めに食べて補う。

特に3)の小麦・乳製品・植物性油・砂糖は4毒と言われるほど、依存性が高いので、アルコールやタバコを止めるより大変と言われています。「食べるものがなくなる~」という声もよく聞きますが、「本来の日本人の体(腸)にとって毒じゃないものを食べよう」という視点で探せば、和食の世界が広がります。

産後のトラブルを通して、健康になるための転換期となり、私にとっては「災い転じて福となす」でした。子どもにとっても、健康的な食事にしていくことで、体つくりと食育ができると思います。

まずは痩せる目的でもいいので、食生活を見直してみませんか?

第11回 股関節痛の悪化で産後が大変になる

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

生涯のテーマとなった股関節痛

 
私の股関節痛の原因は、先天性の「臼蓋形成不全」という障害からくるものでした。本来、骨盤の中で股関節が抜けないように骨でカバーされている部分が、生まれつき欠けていて、股関節が脱臼しやすい形になっています。赤ちゃんの健診のときに股関節が開きにくいことで発見されることもありますが、あまりはっきり見られない場合は、レントゲンを撮って初めて発見されることがあります。
私の場合も30歳頃に、訪問看護で重い人を持ち上げたあとに左股関節が痛くなり、整形外科を受診したところ、念のために撮ったレントゲンで発見されました。
これまでの頭痛や腰痛は、この股関節の歪みが原因で、背骨や顎が歪んで様々な不調を起こしていたことがわかり、腑に落ちた瞬間でした。
股関節が脱臼しないよう自分の骨を切って足す「骨切り術」という手術を勧められましたが、いろいろと調べる中で、手術をしても痛みはなくならないことも多いことを知りました。
それからは重い物を持つときは、左股関節に重心をかけないように気を付けつつ、股関節が外れないように筋肉でカバーする筋トレを毎日続け、休みの日には整体を受け、教えてもらうことになりました。

 

切迫早産で筋力が落ちて悪化する

 
ところが、訪問看護の仕事はとても忙しく、妊娠中でも重い人を抱えることが多々ありました。切迫早産になってもお腹が張っても休めない状況が続いて、とうとう動けないほどお腹が痛くなりました。産休に入ったとたん、寝たきりになり、その2週間後に早産となりました。
お腹の皮とおっぱいだけがで~んと出ているにもかかわらず、手足はやせ細って妊娠前よりも体重が減っていたので、筋肉が落ちるスピードの速さに驚きました。
抱っこをしていても腰がグラグラして、腰も左股関節も痛くなり、腕の力もないので、あっという間に腱鞘炎になりました。睡眠不足が続いて産後うつのような状態になり、軽い体操でさえやれないほど、自分を立て直す気力もなくなっていました。育児を楽しむ余裕もなく、「子どもさえ何とか生きていてくれたらいい」という気持ちで授乳を仕事のようにしていたと思います。

 

股関節痛の悪化

 
半年ほど経ってから、グラグラしていた腰も固まってきて、靴下を履くのも大変なくらい体中がカチコチになって、股関節の痛みが一段とひどくなりました。杖とマジックハンドを購入し、近隣の接骨院や鍼灸院に通いましたが、なかなか良くなりませんでした。
「これはまずい、もう限界だ」と自分の体の悲鳴が聞こえるようになって、ようやく、「我が家からは遠くて行くのはたいへんだけれど、整体の師匠のところに行こう」という気持ちになりました。治療してもらってからは腱鞘炎も股関節痛も良くなりました。それに伴って塞ぎこんでいた気持ちも溶けたように軽くなり、しだいに育児が楽しめるようになりました。
まずは体から整えなくては、心も整えようがなかったのかもしれません。体が整ってきたら心を整えようという気持ちになれて、ようやく体と心が整ってきた感じがします。自分ではどうにもならないときは、まずは誰かに体を整えてもらう、というのは重要だと実感しました。

 

再び股関節痛の悪化

 
産後8か月で保育園の4月入園に合わせて仕事復帰し、少しずつ体を慣らしていきましたが、重労働は避けられませんでした。股関節が痛くなっては整体の師匠のところに駆け込むというのを繰り返していました。
仕事と育児の両立でいっぱいで、自分のケアを怠り、整体の師匠に頼るクセもついてしまっていました。産後うつを脱してからは、アドレナリン全開で走り回っている感じでした。
師匠からは、「こんなに頻繁に悪くなるような体の使い方を治して、悪くなってから駆け込むのではなくて、もっと自分で治せるように考えたらどうか。このままじゃあ、看護師の仕事は続けられなくなるよ」と毎回言われるようになりました。
「おっしゃる通りです」としか言えませんでした。教えていただいたセルフケアを続けようとしても、すぐに崩れてしまう自分にも自己嫌悪でした。
 あるとき、子どもの具合が悪くなって抱っこが増え、とうとうまた股関節がひどく痛み、歩けなくなるほどになりました。「子どもの具合が悪いのに、どうしよう」と焦りました。これまで習った方法を思い出しながらやってはダメ、これもダメ、と一晩中試して、明け方にようやく自分なりの方法がみつかりました。
 その後も何度か繰り返し、危機を脱してきましたが、子どもの熱がなかなか下がらず、病院の行き来と抱っこが増えて、どうやっても改善しないほど股関節の痛みがひどくなりました。
 とうとう長年勤めた管理職の仕事を辞める決意をし、パートで働きながら整体で開業をするための勉強を始めることにしました。師匠に治療してもらい、決意を伝えたところ、これからはプロとしてしっかり勉強しなさいと応援してもらえました。

また、娘が4歳の頃、頭痛を頻繁に訴えるようになり、検査をしても原因不明だったこともあり、整体で何とかしたいという思いを強くなっていました。
このことが転機になり、看護師を辞め、整体師として転職する決意もつきました。

 

産後の股関節のゆがみは女性の一生の問題を引き起こす

 
産後の自分を振り返ってみると、グラグラだった腰と股関節を産後の早い時期に整えておけば、ここまでひどくなることはなかったと後悔します。自分だけでなくもっと多くの女性の産後の体をなるべく早く整えられるようになりたいという思いが強くなりました。
また、産後の方の整体を専門にするようになってからは、実際には私のような臼蓋形成不全ではなくても、股関節がゆがんている方が多く、産後のユルユルの時期に治せばかなり良くなることもわかってきました。
そして産後の早い時期に治して仕事復帰してからも通ってくださる方は、更年期になっても、大きな不調なく働いていらっしゃいます。その方の「仕事で疲れた~」というお話をうかがいながらも、整体師になって良かったと思え、励まされています。

 

天職に転職

 
私自身の股関節の問題は整体師になっても続きましたが、そのたびにセルフケアがバージョンアップし、だんだん解決できるようになってきました。自分に困難な課題がやってきた、と思うと、様々な整体セミナーを受講し、勉強し続ける意欲がもらえます。
自分の障害を、不幸と思わず、愛でてあげようと思える、そんな体と、励ましをもらっている方々に感謝しています。

第10回 娘の頭の歪みと背骨の矯正を勉強して整体師を目指す

私の産後トラブル記

私は、骨盤の歪みから妊娠しにくかった身体を整体で治していただき、娘を授かりました。しかし、産後の身体の状態は思わしくなく、とても辛い時期を過ごしました。
こうした自分の体験から、妊娠を望んでいても難しい方や、産後の辛い症状をかかえる方たちのお役に立てたらという思いで整体の仕事をしています。産前・産後の辛さをはじめとして、医学では対応しきれない、なかなか家族にもわかってもらえない痛みを少しでもやわらげるヒントになればと思い、これから何回かに分けて、私の「産後トラブル」とその対処について、みなさんにご紹介できればと思います。

原因不明の頭痛を何とかしたい

 

娘が4歳のとき、朝から「頭が痛い」と言い、保育園を休む?と聞くと、「行きたいから行く」と言うので、心配しながら仕事に行っていました。保育園から帰ってくると、「ずっと頭が痛かった。でも楽しかった」という毎日で、心配で不安でたまらない日々が続きました。
大学病院で様々な検査をしても異常はなく、立ち上がると血圧が下がるので、「起立性調節障害」という診断名で薬をもらいました。その後も変化はなく、検査ではわからない何かがあるのではないか、他に手立てはないのか、そんな思いをずっと抱きながら仕事に行くのが辛かったのを覚えています。私に気を遣って、痛くても保育園に行きたいと言っているのではないかと思ったこともありました。

 

整体の師匠にみてもらう

 

子どもに整体はできるのか、じっとできるのかという不安がありましたが、師匠に相談して、看てもらうことになりました。
案の定、じっとしていることはできず、ほんのわずかな時間ではありましたが、背骨も頭も歪んでいるとのことで、そのせいで自律神経が乱れて頭痛が起きるのだろうということでした。歪んだ原因は、産道を通ったときの影響、あるいは赤ちゃんのときの向き癖などいろいろあるが、この年齢にしては歪み方がひどいので、生まれつきだろうとのことでした。生まれつきの場合は、治しても成長するたびに脳がもとに戻そうとして曲がっていくので、2~3か月に1度は背骨の矯正が必要になるとのことでした。
本人は、施術の後は楽になったというものの、翌日に好転反応のようなひどい頭痛が来て、その翌日からは良くなるのですが、それでも通うと言いました。親としては将来のことを考えたら諦めたくはないので、2~3か月に1度、成長が止まるまで通うと決めました。そして、ビデオを撮らせてもらい、私自身も家でできる方法を習得し、日替わりで頭や背骨、足などのケアをしていきました。師匠の施術は複雑で、感覚でしかわからないような難解な説明をされるので、私なりに理解したことを言語化すると、「違う」としか言われませんでした。そのため、なかなか原理がわからないまま、形だけをマネするという状況が続きました。

 

看護師を辞めて整体師に転職する

 

娘の頭痛症状には行きつ戻りつという状況が続きましたが、効果が出た時の娘の晴れやかな表情を見ると、私も整体師としてこのような子どもたちの役に立てたらという思いになりました。
20年続けてきた看護師を辞めるというのは重い決断ではありましたが、もっと勉強して、私自身でも娘を治していきたいという思いがありました。
休みの日だけ通っていた整体の勉強でしたが、看護師の仕事を退職して、整体の勉強をし、それから開業することにしました。

 

整体師として開業する

 

最初は看護師のパートと整体の仕事を副業として、自宅で開業しました。
産後のトラブルが多かった私は、私のような辛い思いをしてほしくないという思いで、「産後整体」という形で、産後の方を紹介してもらいました。赤ちゃんと一緒に、ときには知り合いの元保育士さんに赤ちゃんをみてもらったりして、じっくりやらせてもらいました。
小学生になった娘は、学校から帰ってきたら時々赤ちゃんの声が聞こえたり見かけたりするのを楽しみにするようになりました。

 

頭蓋骨専門の整体院に通う

 

娘の頭痛は少しずつ落ち着いてきていたのですが、中学生になると、通学でリュックが重くなったことと、勉強量が急に増え、これにスマホを見ることが重なり、首肩こりから再び頭痛がひどくなりました。気圧や睡眠不足による片頭痛も増えました。
師匠のところにはあまり行きたがらなくなってしまったこともあり、都心に買い物や見物がてら、頭蓋骨を専門にした整体院に通うことを誘ってみたら、行ってみると言いました。
ですが、さすが都心(!!)、10回で25万円でした。見させてもらうことで私の勉強にもなると思い、通い続けているうちに、娘の頭痛はかなり改善してきました。
師匠のやり方とミックスすることで、より効果が上がることがわかってきました。
娘の頭痛にはお互い悩まされましたが、試行錯誤を繰り返しながらお客様へも技を提供することにつながり、良い機会を与えてもらえて、娘にも感謝です。

 

赤ちゃんの頭の歪みはなるべく早く治した方がいい

 

赤ちゃんのときであれば、頭蓋骨はまだしっかりつながっていなくて柔らかいので、数週間で治る歪みも、成長してからだと時間もお金もかかってしまうことから、頭の歪みは早めにケアした方が良いと実感しました。